ブルーカーボンのメカニズムを見る水中観光船

ブルーカーボンのメカニズムを見る水中観光船

株式会社マリン観光開発

サンゴ礁生態系がCO2を吸収 那覇の海は奇跡の生態系

全国に先駆けてブルーカーボンを観光化

泊ふ頭を出航してわずか15分、防波堤に囲まれた那覇港内の海底に広がっているのは驚くほど美しく豊かなサンゴの生態系。柔らかい骨格のソフトコーラルが中心なので、さまざまな色や形のサンゴが海中でユラユラとそよぐ様子が見られます。20年以上この海域で水中観光船を運航しているマリン観光開発代表取締役の早川一正さんはサンゴ礁生態系のCO2吸収能力に着目し、海中CO2濃度測定機を導入。泊ふ頭周辺と水中鑑賞ポイントとしている那覇港周辺の海中CO2濃度を毎日測定し、サンゴ礁生態系のCO2濃度が低いブルーカーボン生態系であることを確認しました。そして、船内で海中のCO2濃度が下がる様子をモニタリングしながらサンゴ礁生態系を鑑賞する「ブルーカーボンクルーズ」の出航を開始。ブルーカーボンと観光の組み合わせは、全国でも類を見ない新しい取り組みです。

まずは知ってほしい 沖縄の海とブルーカーボンのこと

海もCO2削減に役立っています!

2009年に国連環境計画(UNEP)が海を新しいCO2吸収源として提示し、陸の植物が吸収するCO2を「グリーンカーボン」、海の生物が吸収するCO2を「ブルーカーボン」というようになりました。しかし、ブルーカーボンという言葉も海の生物がCO2を吸収するということもまだまだ認知されていません。「まずはブルーカーボンの認知度を高めるのがこの観光船のミッションです」と早川さん。「キレイな海やサンゴ礁生態系を鑑賞しながらCO2濃度の数値が変化することを楽しんでもらえればSDGs13の第一歩としてはOK 。SDGsだって、ちょっと前まで誰も知らなかったけど今ではみんな知ってて何かしら行動している。ブルーカーボンもまずは認知されることが大事だよね」

持続可能を実現するために「楽しさ」と「収益化」を追求

沖縄から発信したい、ブルーカーボン生態系活用の事例

「観光船なのでお客様に楽しんでもらうことが第一。難しい説明はすぐに忘れられてしまうけど、楽しければきっと印象や記憶に残るから。また、一時的な取り組みではなく継続するために収益化もしっかり考えています。そして、海で得た利益は海に還元する、海のために使うのが私のポリシー」
早川さんは数年前から2050年のカーボンニュートラルに沖縄の海が役立つのではないかと考え、さまざまな活動を行い観光船にとどまらず未来の環境を見据えています。「沖縄はサンゴ礁の北限域で、サンゴ礁を持つ数少ない先進国。だから、熱帯の海でブルーカーボンを収益化する仕組みを日本が率先して作るべきなんですよ。例えば、CO2の吸収源としてのクレジット化もさることながら、海藻そのものを商品化したり養殖のエサとして活用する方法もある。ブルーカーボン生態系の活用の事例を創出して、沖縄からサンゴ礁諸国にそのノウハウを届けたいんです」世界中の海と海人(うみんちゅ)が豊かになるように、と考える早川さん。「沖縄の海にはポテンシャルがあるということを知ってもらわないとね」と、意欲的にイベント開催や新しい仕組み作りに取り組んでいます。

COLUMN

サンゴの群生エリアがブルーカーボン生態系!?

サンゴは「硬い骨格のハードコーラル」と「柔らかい骨格のソフトコーラル」に大きく分類することができます。ソフトコーラルは細かい石灰質の骨格をバラバラの状態で保持しているので柔らかく、光合成による栄養をより多く必要としているのが特徴です。「ブルーカーボン生態系」といわれる海の主なCO2吸収源は、海草藻場、海藻藻場、湿地・干潟、マングローブ林とされていますが、マリン観光開発は海中CO2濃度を測定し、ソフトコーラルを中心としたサンゴの群生もCO2を吸収しているブルーカーボン生態系であるということを確認しました。

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水中観光×CO2吸収源の見える化

ブルーカーボンクルーズ

海中CO2濃度測定機を搭載した半潜水式の水中観光船でのクルージング。船の中央部分が海中に潜水するので、海上から覗き込むのではなく海中を間近に見ることができます。観賞ポイントに着くまでは船内のモニターで海中CO2濃度を観察。海を移動しながらCO2濃度の変化をリアルタイムに確認することで、ブルーカーボンを実感できます。泊ふ頭を出発して約15分で観賞ポイントに到着ですが、そこはまだ新港第一防波堤手前の那覇港内の海。市街地からわずかの場所に広がる美しいサンゴの群生に感動しつつ、ソフトコーラルの触手が開いたり閉じたり、ユラユラと波に揺らめく癒しの海中景観がたっぷり楽しめます。

水中観光
約60分
料金
大人(12歳以上)/3,000円
小人(12歳未満)/1,500円
幼児/無料
出航時間
9:10発※ / 10:30発 / 13:10発 / 14:30発※ / 19:00発※
※全便予約制
※9:10発、14:30発、19:00発の便はチャーター運行です。お問い合わせください。
※最少催行人員5名/出航15分前集合
※予約は電話のみ/支払いは現金のみ
※悪天候の場合は運航中止

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ブルーカーボンクルーズを修学旅行や企業研修に!

教育旅行&地元環境学習

ブルーカーボンクルーズは修学旅行や企業研修にも対応しています。水中観光の前に大型クルーズ船の会場でブルーカーボンのメカニズムやソフトコーラルの生態などについて事前学習をした後、水中観光船に移動。知識を付けてからブルーカーボンクルーズに出るので、より興味深く観察することできます。事前学習の内容やツアープランは相談の上、要望に合わせて対応。他にはないオリジナルの学習型観光となります。ツアー内容、時間は要望に応じてアレンジ可能。要相談

INFORMATION

株式会社マリン観光開発

住所
〒900-0012 沖縄県那覇市泊3-14-5
電話
098-869-2241
休館日
H P
https://www.marinenetwork.co.jp/